3月11日(土)12日(日)の2日間、生徒の研究発表会「チ・カ・ホプロジェクト」が、一般市民を対象にして札幌駅前地下歩行空間で開催されました。ここ2年間は、新型コロナウィルス感染症の影響で掲示だけでしたが、今回は、生徒が一般市民対象に実際に説明をすることができました。
🔶内容が豊富になりました このプロジェクトが始まった時には、「コズモサイエンス」を履修している5年生のグループ課題研究の発表会だけでしたが、今回は、それに加え、3年・4年生の合同課題研究「プレコズモサイエンス」、そして6年生の英語での研究論文「コズモエッセイ」など、身に着けた探究スキルを活用した研究成果について、生徒たちがポスター発表を行いました。そのほか、SSH(※)の取り組みで行なっている、「野外観察」「先端科学特論」「屋久島プロジェクト」「TJ-SIF(タイ研修)」なども紹介されていました。 (※1)文部科学省では、将来の国際的な科学技術関係人材を育成するため、先進的な理数教育を実施する高等学校等を「スーパーサイエンスハイスクール」として指定し、学習指導要領によらないカリキュラムの開発・実践や課題研究の推進、観察・実験等を通じた体験的・問題解決的な学習等を平成14年度より支援しています。
両日ともに、小学生とその保護者がたくさんのポスターの中を回っていたり、生徒たちに質問をしていたり、比較的年齢の高い方がこれはと思うポスターに近づき、生徒たちに説明を求めている姿が見られました。土日であることや、人通りが多い場所であったこともあり、たくさんの方々が足を止めていらっしゃいました。
🔶市立高校探究学習発表のコラボが実現しました! 今年の大きな特徴と感じたのは、この発表会に、旭丘高校と藻岩高校の研究発表も掲示されており、取材時には藻岩高校の生徒の説明を聞くことができたことです。開成のSSH担当の井上慶太教諭から両校に呼びかけて実現したそうです。市立高校の連携が先生同士のつながりでできるというのは大変素晴らしいことです。発表数は2日間で開成から63点、旭丘から2点、藻岩高校から3点、合計68点でした。
🔶「コズモプロジェクト」の課題発表会のこの1年間の歩み 昨年9月に中間発表会を保護者も招いて校内で行われました。その時は1年生から6年生が混じり合う形で互いの研究内容を共有しました。10月には「コズモキッズセミナー」を開催し、お隣の開成小学校の生徒を招待し、5年生の研究内容を小学生向けに改良して理解をしてもらいました。そして、今回が一般市民に向けての発表。完成形を披露しました。更に、17日には自分たちの後輩への発表会を校内で行います。後輩に理解してもらえるよう更に準備を進めています。後輩の中から、自分たちの研究内容を受け継いで更に進化させたいと思っているグループもあるようです。
🔶生徒からの感想 いくつかのグループに感想を聞きましたが、どのグループも、研究の始めからずーっとアドバイスをしていただた武笠幸一先生(北大名誉教授、SSH委員長)の名が挙がり、「厳しく感じることもあったけど、とてもありがたかったしアドバイスを実際に役に立てることができた」と。 「人工心臓を使用時のドライブライン」について研究したグループからは、「武笠先生からの紹介していただいて、北大大学院医学研究院の大岡智学先生のところに行って見学させてもらい、アドバイスももらえました。それと、月曜の午前中に授業があるんんですけど、開成の山﨑恒輝先生はiPadを持って、各グループのところに来てくれて、武笠先生とオンラインで繋いでくれました」と。 「次世代を担うクリーンエネルギー」を研究グループからは、北海道教育大教育学教授松浦俊彦教授の名前が挙がり、「わざわざ学校に来てくれて、実験の方法を教えていただいたんです。」と。 「山から近い避難場所の安全性の検証」のグループからは、「北大農学部の山田孝教授のところで土石流の実験をさせてもらえましたし、札幌市危機管理局の岩倉徹さんも協力していただきました」と。 「みかんの皮からマスクを作りたい」のグループからは、「北大大学院情報医科学研究員のアグススパギョ先生にお世話になったんです。電子顕微鏡を使わせてもらったんです。」
17日の発表会も楽しみです。