18年の歴史を刻む清田高校グローバルコース ~「卒業研究発表会」開催!~   

英語コミュニケーション能力の育成と国際理解教育を中心に、「グローバルな視点で考え、自らの言葉で表現する」取組みを続ける清田高校グローバルコース。歴史を刻み、2005年開設から18年。今年も、3年生40名は3年間のさまざまな学び・経験を土台にしたそれぞれの研究成果をオールイングリッシュで発表しました。

最高気温36度を記録した8月23日(水)。会場は清田高校の4階全フロアと体育館。文字通り熱気に包まれます。第1部は、体育館発表の3名を除く37名が4階フロア全12教室に分かれそれぞれ13分間の発表。聞き手は1年生全員とグローバルコースの2年生、そして多くの保護者の皆さん。

「テーマを選んだ理由」「研究の調査対象「関連するSDGs」「一言・意気込み」が、それぞれ工夫されたパワーポイント画面で展開されていきます。発表のタイトル・内容は多岐にわたりました。その中から・・・・

坂田麗美さんのテーマ「The Bitter Side of Sweet Chocolates」(「甘いチョコレートの苦い側面」)。

内容は、甘いチョコレートができるまでに、どのような人たちがどのように関わっているのかを日本の食品メーカーとオランダのチョコレートブランドを例に分析、カカオ生産地の幼い子どもたちの苦しい生活、「犠牲」になっている現状を大変わかりやすく発表していました。

塩井龍平さんのテーマ「The Olympics Sustainability」(「オリンピックはできるのか」)

2030年札幌開催の可能性で揺れる冬季オリンピック。環境やコストの問題に切り込みながら札幌開催の可能性、さらにオリンピックそのものの課題にも視点を広げ、聞き手に投げかけるようなスタイルが印象的でした。

そのほかにも、

大島千穂さん「Balancing Women’s Childcare and Work」

(女性の育児と仕事の両立)

小林芳信さん「Al’s Problem and People’s Way」(「AIの問題と人々」)

杉山日菜さん「Don’t Go to School?」(「学校に行かないという選択」)

中村明義さん「The Importance of Team Building」(「チームビルディングの重要性」)

堀田美晴さん「The Future of Girl’s Education in Afghanistan」

(「アフガニスタンにおける女子教育の未来」)

佐伯公隆さん「To Keep the World from Rotting Way」

(「世界の汚職と課題」)など大変幅広い分野の発表が繰り広げられました。

各発表後には、それぞれの教室で、聞き手の生徒や保護者からの質問が飛び交い、明るく和やかなやりとりが見られました。

 第2部は体育館に会場を移し、代表3名によるステージ発表。全校生徒、そしてたくさんの保護者が集い、熱気に溢れます。

第一発表者は金子咲希さん。

「Role of Maternal and Child Health Handbook in Developing Countries~To make every child in the world

 an adult~ 」(「発展途上国における母子健康手帳の役割~世界中のすべての子供を大人にするために~」)

                     

日本で生まれ、発展した母子健康手帳。世界では「命のパスポート」「国境を越えたカルテ」と呼ばれる母子手帳。その世界への普及と発展途上国への援助やボランティア派遣をつなぎ合わせることが大切と主張。国際協力NGOジョイセフの調査をもとに、セネガルやガーナなどの子どもたちの実態を例示しながら「日本のアイディアを世界へ」と主張します。「将来の夢は大人になること」と語ったアフリカの子供の忘れられない言葉。その言葉を受けて「世界の子供を大人にする」という金子さん自身の決意が響きます。

第2発表者は中村奏花さん。「School Uniform for All Students」(「制服の多様性」)

日本の多くの高校が学生服を取り入れている現状を学生服メーカーの取組を調査しながら分析。「ジェンダー平等」「多様性」の考えが広まる中、学生服が教育の権利の侵害にもつながると主張。すべての学生がストレスなく学校生活を送るための学生服のあり方をとても分かりやすく発表しました。

第3発表者は堀田梓さん。「Japan’s Forest Management」(「日本が管理する森林について」)

なぜ日本では管理されない森林が増えているのか、木を切ることが環境を守るのか、木を切らないことが環境を守るのかという問題提起から、生態系の崩壊や自然災害を防ぐことの大切さを主張。「地球の肺」としての熱帯雨林の大切さ、しかしその著しい減少という現実。日本独自の「ふるさと納税システム」を利用した森林保護の可能性など深い考察に満ちた発表でした。

最後に横関直幸校長から「今回の発表会も素晴らしかった。英語での表現もさることながら、何よりもなぜこのテーマを選び、なぜそう考えたのかが大切。3年間の努力や苦労が見られました。」との言葉があり、発表会は終了しました。

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