学校間連携プログラム 2022年度「アニマドーレ」〜アニマドーレin酪農学園大学〜を初開催!

9月4日(日)に「アニマドーレ in 酪農学園大学」が開催されました。

酪農学園大学は、江別市にある「農・食・環境・生命を総合的に追求する」大学。私立大学日本トップクラスの総面積135万㎡のキャンパスを構えている広大な敷地には、実践的な乳・肉・作物の教育研究が行える施設や、原料受入から製造・出荷まで食に対する知識を体系的に学べる乳製品製造実験実習室や食品加工実習室、全国トップクラスの診療件数で、多様な機能を備えた附属動物医療センターなどがあります。そして全国各地から、やりたいことを持った、夢を持った学生たちが集まってくる大学です。 

この日は大学での「農業(酪農)」と「食」に関する学び、研究を体験できるということで、札幌大通高校、札幌新川高校、札幌藻岩高校、開成中等教育学校の生徒たちが参加しました。

当日は青空広がる快晴の中、以下の7プログラムを9:30から15:30まで体験しました。

1.酪農学園大学を10分で紹介   酪農学園大学職員 河井 聖(アニマドーレスタッフ)

まず初めに大学生が普段学んでいる教室に集合し、酪農学園大学職員でもあり、アニマドーレスタッフでもある河井聖さんから「酪農学園大学は、私立大学トップクラスの広さ。この広大な敷地には、なんでもできることが詰まっている。」「日本全国からやりたいこと、なりたい自分を持った学生が集まる大学になっている。そのため、将来、人生の同じ方向を向いている仲間ができる」「いろんな学びは、全てつながっていて、そういうことも体感できる、学ぶこともできる」と、動画や写真を使いながら、魅力を聞きました。好きなことを学ぶことができるというワードに、反応している高校生もいました。

2.酪農生産ステーション見学(牛舎)『草食系は素晴らしい!!〜緑の草から白い牛乳ができるまで〜』                                        循環農学類 中辻 浩喜 教授(家畜栄養学研究室)

大学の魅力を理解してからは、乳牛が、およそ170頭もいる酪農生産ステーション(牛舎)へと、徒歩移動。大学の中は、とても広く、この日は、1万歩近く歩きました・・・牛舎に到着すると、防疫の観点から、防護服、シューズカバーを着用。ここからは循環農学類 中辻 浩喜 教授が、説明を担当します。

『草食系は素晴らしい!!〜緑の草から白い牛乳ができるまで〜』という講義を、牛舎にいる多くの牛を前に「日本人の乳利用がいつからなのか」という歴史から、牛の分類、草から牛乳を作り出す仕組みまでを解説して頂きました。

実際に、牛の餌に触れながら、どのような飼料が主流なのかも、教えてくれました。

こちらはバンカーサイロです。初めて見るプールサイズの餌の貯蔵庫の大きさに驚きの様子でした。

哺育舎に立ち寄り、生まれたばかりの仔牛たちも見せていただきました。

最後は、中辻教授と写真撮影!緑の草から白い牛乳ができるメカニズムから始まり、酪農の本来あるべき姿まで、体系的に学ぶことができました。

3.『乳牛と酪農の底ぢからをのぞいてみよう』                                                                                                                                  循環農学類 泉 賢一 教授(ルミノロジー研究室)

牛舎から、教室に戻ってきて、循環農学類の泉教授による講義です。泉教授は「牛の第一胃の秘密を探る」をテーマに研究しています。この日は「酪農にはロマンがあります」という惹かれる言葉から講義がスタートし、「1頭あたりの乳牛は、どれくらいの牛乳を生産するのか」「なぜ草を食べてミルクを大量に生産できるのか」など、普段、当たり前に飲んでいる牛乳の生産に関わる質問を、参加している高校生に当てながら展開していきました。

そして講義は、世界の食料問題を救うことへとつながっていき、実は牛肉産業への貢献も果たしていることが説明されました。酪農生産が地域を救うきっかけになるつながりについても知ることができました。最後は、事例を用いながら道東エリアの町と連携して取り組んでいる研究「コンブ牛」について紹介がありました。泉教授が熱っぽくも楽しそうに、地域貢献、研究の取り組みについて話していたので、生徒のみなさん興味がわいた様子でした。

4.『ブドウの葉っぱを発酵させて美味しいワインに!』                                                                                                                    食と健康学類 山口昭弘 教授(応用微生物学研究室)、食と健康学類4年生石田この さん(応用微生物学研究室)

午後からの時間も教室を出て、ブドウ圃場へと移動しました。

ブドウ圃場では、葉の剪定を行いました。すでにブドウは収穫された後でしたが、葉の剪定を行うことで、来年に向けた準備になります。

教室に戻ってからは、食と健康学類の山口教授による講義です。応用微生物学研究室での取り組みについて紹介がありました。

有用微生物の探索と、新規発酵食材の開発に関する研究です。道産食材(アロニア、ハスカップ、シーベリー、赤ビート、行者ニンニク、キノコなど)を使って、普段は廃棄してしまうような未利用資源の活用、食材の新たな付加価値創造を研究しています。ここ数年の学生たちとの取り組みを紹介していただきました。

講義の最後には、札幌藻岩高校出身の食と健康学類4年石田このさんによる「麹菌を用いる小麦の低アレルゲン化基礎検討」の研究発表。大学での学びをこのようにカタチにしていく市立高校出身の先輩の発表は、いろんなことを感じる機会になったと思います。

道産食材の活用、ブドウ剪定徐葉を原料に発酵資材をつくるなど、食の可能性に気がついた時間になりました。

5.『コンビニのお弁当が美味しくなった秘密を探る!』 食と健康学類 阿部 茂 教授(農産資源科学ユニット)

食と健康学類の阿部教授の農産資源科学ユニットは「美味しくする技術や食品を開発」や「美味しさを保持する技術を開発」「地域を元気にする食品を開発」などを行う「ものづくり」メインのユニット。           

その中でも、今回は美味しくする技術について、説明がありました。最近、コンビニ弁当やお惣菜がおいしくなったのには理由があり、過熱水蒸気が秘密のカギでした。

過熱水蒸気の仕組み、メカニズムについて解説があり、ブロッコリーを食べ比べました。香り、みずみずしさ、つまり美味しさにハッキリと違いがありました。

美味しくする技術について、体感できる時間となりました。

6.大学生によるキャンパスライフ紹介 循環農学類4年生 坂地いおり さん(家畜栄養学研究室)

今日の見学の最後は、酪農学園大学の4年生によるキャンパスライフ紹介です。大学職員の河井さんからのインタビュー形式で行われ、農業高校時代の思い出、大学進学を考えたきっかけ、夢、やりたいことがないままに大学進学したが、この学びの中で、自分の進みたい道が見つかり、就職活動をしたことなどを、話して頂きました。

現在は9月末に開催予定のオープンキャンパス に向けて活動することが楽しいとのことで、学びだけではない充実した大学生活について紹介がありました。

7.今日の感想をシェアしよう!

最後は、感想をシェアして、今日感じたことが、お互いの刺激になっていました。

「今日の体験が、キャリアを考える上で、いい視点になりそうです」

「匂い、触ること、五感で感じとる経験ができてよかった」   

「牛がたくさんいて驚いた。すごくいい経験になって楽しかった」

酪農学園大学で過ごした1日は、農業(酪農)や食を通じて「好きなことをカタチにしていく」先生や学生のみなさんたちの取り組みが、高校生のみなさんにとって、良い刺激になったようです。 

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