SCS STARTUP SCHOOL U18 ステップ4 DemoDay 最終成果発表会~5社が独自の事業企画を多様にプレゼン~

「Google」「インスタグラム」「メルカリ」など、「世の中の課題」を解決するためにテクノロジーを用いて社会にイノベーションを起こし急成長する企業=「STARTUP」(スタートアップ)。

このスタートアップの発掘・育成支援プロジェクトの一環として実施している高校生向け起業体験プログラム「SCS※ STARTUP SCHOOL U-18」の最終成果発表会(ステップ4)が、11月12日(土) 道新プラザDO-BOXを会場に行われました。参加校は啓北商業高校、開成中等教育学校、国際情報高校(道立)。                            ※ SCSはSTARTUP CITY SPPPOROの略

 

9月17日の進捗状況報告会から2か月。ブラッシュアップされた高校生スタートアップ5社の事業企画を紹介します。

1 しばハウス

高齢者向けシェアハウスで、生きがいのない高齢者や一人で寂しい高齢者をなくすための企画。居住者は独自開発のマッチングアプリで決定。これにより、趣味のあった人、高齢者と住みたい若者等と暮らせ、仲良く楽しく過ごせるというもの。マーケットは、一人で寂しい高齢者、生きがいのない高齢者、高齢者と住みたい若者を想定。質疑では、「シェアハウスの居住に関するアンケートの人数が5人では少ないので、他のデータの引用も考えた方がよい」という声。「マーケット対象者や非対象者の解像度を上げると企画ももっとクリアーに見えてくる」いうアドバイスもありました。

 

2 Kanri

小学生の忘れ物防止アプリkanri君を提案。小学生対象としたのは、タブレットが支給され、毎日の持ち物が多様なことから。アプリの使い方は、①持ち物とその場所のリストを音声登録、②持ち物確認通知の時刻設定、③事前通知(リマインド)で持ち物を確認する。忘れ物をしなかったら、ポイントや画像が得られる等の特典。質疑では、「非常によいアプリだと思うが、同様なアプリのリサーチはしているのか。もし無いのであればぜひ作って欲しい。大人も使える」という意見。「ポイント数によってランキング形式にし、評価にも応用できるというが先生の負担になるのでは」という声もありました。

3 ティーチングマッチ

この企画のきっかけは、学校外で勉強しているとき「すぐに質問できる人がそばにいない!」という現実。つまり「今現在勉強中の人が集うアプリがあればなぁ」という願望が出発点。その特徴は、「質問して学ぶ」「教えて学ぶ」「自分で学ぶ」と利用者に合わせた学び方を選べ、さらに過去の投稿の参照からも学べるという「わからないをなくすアプリ」。実際のアプリを想定した試作画面もリアル。質疑では、「プレゼンの構成やデザインも良く、3人全員の話し方もすばらしい」という評価。「教える側を高校生だけに限定しているが大人も良いのでは」という質問に、「大人は対価が必要、土日の対応は難しく、安全性に不安」という回答でした。

4 いっぱいぽてち

前回のポテトチップスに特化したサブスクから、農家ブランドのポテトチップス製造、農家の直売支援(ネット販売)などの農家サポートを柱にした企画に。特にこだわるのがポテトチップス。○○さんのポテトチップスなどとネーミングしてOEM、ネット直販で農家サポート。将来の夢は、実店舗を持ちポテチ食べ放題サービスの実施とジャガイモ以外の野菜の活用。質疑では、「農協のシステムをもっと勉強し、実際に農家の話を聞くことが大事」、「ポテチの加工の仕方を変える、形を変える、ジャガイモの特徴から差別化する」というアドバイスも。

5 Stop ASE

高校生の日常の課題、リュックを背負ったときの背中汗や熱中症リスク対策として、スポンジ製の「あせたさん」を提案。研究データからも背中は男女とも一番汗をかく部位。その背中に汗をかかないように、かいてもすぐ乾くようにリュックに取り付け、背中との間に3~5㎝の風通し空間をつくるという商品を提案。試作品も作製して効果の実証中。質疑では、「学生向けのリュック製造会社とタッグを組んでみては」という質問に「提携はあまり考えていない。自分たちの力で作り上げたい」という回答でした。

<審査結果>

最優秀賞並びにオーディエンス賞(会場参加者集計):株式会社ティーチングマッチ                     審査員特別賞:Stop ASE株式会社が受賞しました。

表彰式後に講評があり、日本政策金融公庫国民生活事業本部北海道創業支援センター所長 小塚友平さんからは、「このスクールは学校単位ではなく、違う学校の異学年の生徒たちがミックスしているところに非常に価値がある。違う環境の生徒さんと取り組んで大きな気づきや学びがあったと思います。今後の生活にぜひ生かして欲しいです」。

札幌市教育委員会学校教育部教育推進課指導主事 西野功泰さんからは、「今回は起業家教育ということですので、もっと価格設定をしっかりやると学びの質がもっと高まると思います。また、今回発表して終わりではなく、さらにブラッシュアップを重ねて、商品化、サービス化を目指して学びを止めないで欲しいです」。

株式会社D2Garage代表取締役 佐々木智也さんからは、「すぐに事業の答えは見えませんが、どれだけユーザーの課題を解決するものをつくっていくかということがスタートアップなので、今回の経験が今後のキャリア形成の一助になればと思っています」。

<全国大会結果>(日本政策金融公庫HP「ニュースリリース一覧」)                                              

この2チームのプランを日本政策金融公庫の「高校生ビジネスプラン・グランプリ」にエントリーし、全国およそ5,000プランの中から上位100位に入賞しました!                                   違う学校の生徒のチームでの入賞はわずか7チーム、そのうち2つが株式会社ティーチングマッチStop ASE株式会社でした。

 

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