キャリア教育優良学校文部科学大臣賞の推薦理由についてインタビューしました!
「入学から卒業までの見通した、系統的なキャリア教育の立案と実施」編
「新しいことをしたんじゃなくて、ごちゃ混ぜの取り組みをまとめてみたんです!」と藤井靖香(ふじいやすか)先生(キャリア教育推進部長)がお話ししてくれました。
キャリア教育推進部は、今から10年前に立ち上げられ、総合的な学習の時間、現在では総合的な探究の時間を中心に、キャリア教育の充実を図ってきました。人との関わり、経験の積み重ねによって、それぞれの「自立」に向けて、生徒が主体的に考え、行動できるようにしていくことを目的としています。この時間を「DORI-time」「キャリアプランニング」と校内では呼んでいます。大通高校での総合的な学習の時間が始まった当初は、様々な行事が詰め込まれた状態でした。たとえば、星園高校で行われていた「ソクラテスミーティング」「インターンシップ報告会」などを引き継ぎ、大通高校となり規模が大きくなって「ピアサポート」「いのちの学習」「ESD」なども実施するようになりました。それらの様々な取り組みを4年間の一連の流れとして整理したのが7年前です。新しいことをしたのではなく、様々なプログラムを体系づけたんです。
以前は年次ごとで総合的な探究の時間の取り組み内容を決めていました。年次の取り組みとしてスタートして現在も続けられている取り組みが「わたし○○○したわ」です。これは自分の「過去・現在・未来」の紙芝居を作って語るものです。12月には4年次が1年次に向けて発表し、その後、1年次が大通高校入学後の1年を振り返って、クラス内で発表します。先生方の入れ替わりはありますが、柱は変わっていません。生徒は受け入れてもらえる環境があることを知ると、最初はうまく発表できなかった生徒がだんだんできるようになってきたという感じはあります。(写真:4年次生の紙芝居を聴く1年次生)
総合的な探究の時間のテキストも手作りして、共通のものを使用しながら、各年次各クラスで担任がある程度自由に説明したりしています。3年間で卒業する生徒もいれば4年間で卒業する生徒もいる。進学しようとする生徒もいるし、就職する生徒もいます。午前部・午後部・夜間部の区別もある、その中で共通する部分を組み立てているのが、現在のキャリア教育のプログラムです。一見バラバラに見えるプログラムと言われることがありますが、実は一本、筋を通しています。これからのキャリア教育に関して、価値観はどんどん変わっていくと思いますし、指導される先生方の年代も異なる。だから、同じテキストを使っても、指導案は作らずそれぞれの先生がそれぞれのやり方や言葉で実施していくのを続けるのが良いと思っています。最初は戸惑う先生もいますが、それぞれのノウハウをお互いに情報交換もしている先生もいらっしゃるので、先生方の縦横のつながりが生まれてもいます。