アニマドーレでは、協賛いただいている「コープさっぽろ」の店舗にて、毎年販売体験研修を実施しています。今年は、9月17日にルーシー店、10月8日に藤野店にて実施。 今回は、藤野店の研修の様子をアニマドーレの大学生スタッフがレポートしてくれました。
◉主な内容 1.コープの朝礼参加 2.接客講習 3.「ご近所野菜コーナー」で販売体験1 4.販売体験1の反省 5.南区の農家さんからお話+コープの店員さんからお話 6.反省を踏まえて販売体験2
<研修の詳細、感想など> ◉1.コープの朝礼参加 エプロンと名札を付け、全員集合で朝礼。店⻑が昨日の売り上げと今日の目標を共有したのち独自の挨拶練習~参加した高校生一人ひとりがマイクを持ち全員の前で自己紹介と販売体験の目的、アニマドーレの紹介をしました。 バックヤードと店内の行き来で、店内に出る時は「いらっしゃいませ」、戻るときは「ありがとうございま す」と一礼をしていました。ただ物を売るだけではなく来店される組合員さんに笑顔で過ごしやすい場所を提供するための工夫が垣間見えました。
◉2.接客講習 コープは組合員からの出資によって成り立っているため、想像するようなお客様とお店といった関係ではないことから「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」の挨拶を基本にしているらしい。 ある種の地域 のコミュニティであってほしいという考えから、堅苦しい礼儀や形にこだわりすぎた接客ではなくかなりアット ホームな接客を心がけているようです。挨拶もただ言えばよいものではないということで、語りかけるような気持ちのこもった言い方を高校生と一緒に練習しました。普段百貨店の飲食店でバイトしているので、そことの違いが面白かったです。
◉3.販売体験1 まずは全員で今日の目標を2つずつ考えて共有。「笑顔で」というキーワードが多く見られました。私も急遽販売に参加することになり、せっかくの場なので何か1つでも学びを得たいという目標にしました。食品売り場入り口の角にある「ご近所野菜コーナー」に来るお客さんに声をかける形式。このご時世なので声を掛けられたくない人もいるし、そもそもしゃべりたくない人もいるし、見極めが非常に難しかったです。 コープには店員とお話したいという目的で来店する組合員さんも多いそうで、今回の体験をサポートしてくださった方が、色々アプローチをしてなんとか 2、3 人とお話できました。 「このコーナーで買う理由はありますか?」と聞いてみると「ここのオクラが特にすごい!よく粘るし新鮮」と絶賛の嵐でした。新鮮さや見た目などにこだわりをもって買う野菜を選んでいる方が多い印象でした。 また、「地元の野菜だから特別」という意見もあり、 野菜をきっかけに地元への愛着ができる、逆に地元が好きだからそこの野菜を食べたくなるといった効果もあるようでした。
◉4.販売体験1の反省 付箋に思ったことや改善点などを書き出し、内容ごとに整理して模造紙に貼り付けました。高校生たちもかなり積極的に参加できていて、たくさんの発見がありました。 ○アニマドーレについて知ってもらいたいと考えていたが自分達の話をするよりも組合員さんの話を聞く方向性のほうが会話がしやすかった。 ○購入した野菜で何を作るか聞くことで話が拡がった 。 ○自分達が立っている圧で入りにくそうになっていた 。 ○生産者さんの顔があるところが良い (コーナーには生産者さんの顔写真などが貼られていた) ○量より質重視の方が多い、など。
◉5.南区の農家さんとコープの店員さんからのお話 コープは全店舗でご近所野菜を取り扱っていて、北海道は特に規模が大きい。コロナ禍で自炊する人やこだわりを持つ人が出てきたこともあり、野菜は特に売れるようになったらしい。 珍しい野菜も地元の物ということで注目してもらいやすいそう。農家さんからのお話では豊滝フルーツパークの篠原洋一さんが来てくださいました。南区は札幌の中心部から車で1時間程度の場所にも農家がたくさんいて、大規模ではなく少量多品種で生産しているそうです。農業への関わり方として、他の仕事をしながら空いた時間でボランティアとしてお手伝いに参加する方法があります。土に触れたい、家庭菜園の参考にしたいといった動機の方がいるそうで、農家さんも一般の人が来てくれ ることがありがたいとのことです。農園の看板を大学生に制作してもらうなどで若者と関わることもあるそう。私にとって農業は「生産と消費のサイクル」というイメージしかありませんでしたが、まちづくりの一部にもなり得ると知ったことで視野が広がりました。
◉6.反省を踏まえて販売体験2 2回目は、立ち位置を二手に分けることで入りにくさを軽減させてみました。最初の体験でなんとなく話しかけ方がわかってきたのか、高校生がさらに積極的になっているように見えました。途中で本格的な家庭菜園をされている方も来店して驚きました。組合員さんが買った野菜をどう調理すると美味しくなるかなどを教えてくださる場面もありました。 販売体験終了後には コープの店員がいつもつけている振り返り・気づいたことシートにみんなで感想を書き、内容を発表し合いました。自分は札幌の中心の方に住んでいるため、そもそも「ご近所野菜」という概念をあまり知らなかったです。野菜を通して地域の魅力をアピールできたり、地域への愛着ができたりという流れを直接見る事ができたのはよい経験になりました。生産者と消費者をつなぐ立場の人たちによって、消費者に野菜の魅力を伝えて生産者には消費者からの意見を伝えるというやりとりがしっかり行われることで、野菜がただ売られている商品ではなく人と人をつなぐ役割をもった特別なものになるように思います。
<レポーター:アニマドーレ大学生スタッフ 長山ゆい>
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<高校生の感想(9/17開催分含む)> ◎Aさん まず、知らない人と会話をするのが久しぶりだった。コロナになってから、本当にこのように会って話す樹会がなかったのだと気付いた。お客さんとの会話は、楽しそうに話してくれたのが嬉しかった。永光さんのお話を聞いて、もっとアニマルウェルフェアが広まって欲しいと思った。コープの人と人との近い距離が、これからの時世本当に大切なんだと思った。
◎Bさん はじめは、あいさつをどのようにすれば良いかわからなかったり、笑顔が消えていたりしたけれど、後半はお話までつなげることができたし、つながるって楽しいことだなと感じました。自分がお客さんとして来る時は、あいさつをしっかり返そうと思うことができました。
◎Cさん コープでは、理念のもと従業員も楽しみながらお仕事をしていて、元気づけられた。みなさん良い笑顔。思っていた以上に多くの人がご近所野菜コーナーや有機野菜を手にとって見ていて、嬉しくなった。そして美味しそう!とても楽しく、気付きのある経験でした。
◎Dさん 初めに立てた目標のひとつが、「たくさんの人と関わって新しい気付きを見つける!」だったが、目標通りに多くの気付きや発見があった。生産者と消費者をつなぐという点では、組合員の方が、「ここのかぼちゃはすごく美味しい!」「安心する!」などお話をしてくださって、逆につながりを組合員の方から気付かせてもらえた部分がたくさんあった。自分もこれから買い物をする時に、そのつながりを大切にしたいなと思った。また自分たちの活動について訪ねてくれたり、応援してくださる方がたくさんいたり、とても心があたたかくなりました。