2023年7月22日(土)、『北海道アナログゲーム教育研究会』(旧DORI-TRPG研究会)が主催する「TRPG体験会」が、札幌市東区民センター大ホールを会場に12:50~18:00の時間帯で行われました。
TRPGとは「テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム」の略。2011年、大通高校を会場に初めて開催された体験会も、歴史を刻み、今回は30回! 今回は、アクリル板なしの完全な直接対面方式の開催。団体名も新たに、大通高校、開成中等教育学校から計10名の生徒が参加しました。このうち2名がTRPG初体験、4名が「体験会」初参加。
会長は五十嵐正博さん。教員代表は開成中等教育学校の佐々木大輔教諭です。
はじめに五十嵐会長のあいさつがあり、この活動が国立青少年振興機構の「子どもゆめ基金助成活動」からの支援を受けていること、そしてゲームの趣旨について、「勝敗のあるゲームではなく、物語を成功させるのが目的、大いに楽しんでほしい。」とのメッセージが送られました。
さて今回は5つの「ゲームシステム」が用意されました。
◇「インセイン」・・・現代日本を舞台に怪奇現象に巻き込まれるキャラクター達。
行方不明になった友人を探すためSNSを使って真相に迫る。さて友人を救えるか。
◇「シノビガミ」・・・現代社会の裏では今も忍者の世が。各キャラクターは表の使命とは別に秘密を持つ。
サイコロを振るだけで物語は進行。
◇「アサルトエンジン」・・・異世界のカンナビーク大陸を舞台に、超越者となり、剣と銃、異能力を
駆使して依頼や課題を達成していきます。
◇「ソード・ワールド・5」・・初心者冒険者の戦士・魔法使い・神官・盗賊の4名でダンジョン
アタック。ダンジョンアタックで遺跡の冒険。
◇「天下繚乱」・・・江戸時代中期をモデルにした心の闇に巣食う『妖異』に取り憑かれる者たちと
戦う時代劇ヒーロー物語。
参加生徒たちは希望に沿ってそれぞれのゲームのテーブルに移動し、いよいよゲーム開始。5つのテーブルには、研究会に所属するゲームマスターとアシスタントがついて、参加者をたちまち架空の世界に導きます。
まずは自分のキャラクターづくりから。使う道具は基本的にサイコロ、そしてカード、ペン。ゲームマスターは皆さん熟練者。ルールの説明、巧みな話術、考えさせる力、楽しくさせる間合い。どれをとってもすごい。
「いかに裏を読むか」「どうサイコロの目で判定するか」生徒たちは懸命に考えます。そしてそこには驚きあり、笑いあり。
毎回実施される事後のアンケートの感想には「あまり結果にこだわらずにできるゲームだと感じた」「実際に話すことで、協力や雑談の楽しみが増えた」「自分で考えながら行動したり、他の人と協力するのが楽しかった」といったものが多く見られ、TRPGのめざしているものがわかります。
こうして3時間半におよぶゲームは、物語ごとそれぞれの結末にたどり着き終了しました。
閉会式では代表生徒が感想を披露しました。
「ホラーの中で現実的行動をとる難しさ。自分の行動でダメージや影響を与える、行動の責任を考える深いゲームでした。」(Aさん)
「はじめての参加でしたが、サイコロによってうまく進めることができとても楽しかった。協力するゲームで自分は2回連続ファンブルしてしまったが、みんなカバーしてくれた。」(Bさん)
「ギャンブルで使うチップをいかに増
やすか、なくなるとキャラクターが死ぬという設定。ギャンブルの危険性を知ることもできた。」(Cさん)
最後に五十嵐会長から、次回(9月23日 会場:ちえりあ)の予告があり、「引き続き参加を。そして声掛けをして広めてほしい。」というメッセージが送られ、盛況のうちに終了しました。