~テーマ「わたし、アナタ、min-naのことが知りたい」~ 第22回 市立高等学校リーダー交流会

8校の生徒会メンバーが一堂に会し、それぞれの生徒会の様々な活動を発表し、意見交換・交流を行う「市立高等学校リーダー交流会」。歴史を刻み、迎えた今年は、「わたし、アナタ、min-naのことが知りたい」をテーマに、12月12日(月)、3年ぶりに対面で開催されました。

今回の当番校は開成中等教育学校。テーマは当番校である開成中等教育学校の教育理念「わたし、アナタ、min-na そのすがたがうれしい」から採りました。それぞれの学校の生徒会の個性、役員の個性が、開始前から楽しみになるようなテーマです。会場は、札幌市教育センター「ちえりあ」。5階A研修室には、8校40名の生徒会役員生徒、そして各校の顧問の先生が集いました。

 9時40分開会式。担当校長の大通高校 池田吉利(いけだ よしかず)校長から、『3年ぶり対面開催への期待、対話によるより深い討議、交流への期待』が語られました。続いて当番校―開成中等教育学校の別当屋敷 和(べっとうやしき なごみ)生徒会長からは「交流会を通して新しいアイデアを創出し、各学校へ持ち帰りましょう」という力強い挨拶がありました。 

スタートは『各校のプレゼンテーション』。8校の代表が、自校の生徒会活動について、パワーポイントや動画を提示しながらのプレゼン。「生徒会の組織」「年間の活動」「理念」「大切にしていること」・・・それぞれ個性があり、学校の歴史を感じます。

続いてメインの『グループ研修』。全メンバーが、Aグループ「執行委員会の活動」、Bグループ「生徒の意見の集約について」、Cグループ「環境に関する問題提起」、Dグループ「学校祭」、Eグループ「球技大会」の

5テーマ5会場に分かれ議論しました。

今回は特に、Cグループでは、札幌市教育委員会の久保和也(くぼ かずや)指導主事から、来年春に札幌で開催される『Gサミット気候・エネルギー・環境大臣会合』があることから、これを好機と捉え、札幌らしい特色ある教育の一つのテーマである「環境」問題について今まで学んできた皆さんに、高校生視点で札幌の環境問題について考えてもらいたい。さらに、それを問題提起として札幌の小・中学校生に発信し、すべての札幌市立学校で持続的に解決に向けた行動をしていけるようにしたい。という大きな課題がCグループに課せられました。

A~Eグループで、それぞれ白熱したやり取りが展開されます。

メンバーひとり一人が主役。相手の発言にしっかり耳を傾け、メモを取り、考える姿。お互いの学校の工夫や良いところを取り入れようという姿勢に溢れています。徹底した感染対策で、終始マスク着用でしたが、実際にテーブルを囲んで話し合うのは、それぞれの学校の実際を把握するうえでオンラインとは段違い。お互いの悩みや課題に対する理解・共感が深まります。

 午後は、グループ発表に向けて、それぞれの生徒会が持つ課題の認識と共有の時間。特にCグループはホワイトボードを使ってアイデアの書き込み、協議、書き込み、協議・・・の繰り返し、これだけでも充実の時間。さまざまなアイデアの広がりの中から具体的なものを生み出す難しさ。

こうして、グループ研修は終了。それぞれのグループが何を協議し、共有できたのかグループ発表に移ります。

Aグループ:生徒会活動について、広報や学校だよりの発行についての工夫、グーグルクラスルームやオープンチャットの積極的な活用。

Bグループ:生徒会室のホワイボードを生徒からの意見集約に活用。意見集約・情報発信・議論参加のサイクルの活性化。グーグルクラスルームを使った「目安箱」や「アンケート」の実施。行事にとどまらない日常生活についてのアンケート実施。

Cグループ:環境問題を小中学生に取り組んでもらうために、テーマに基づいたキャラクターづくり・アニメ化を実現し、さらにそれを小中学生に引き継いでもらうというアイデア。キャラクター図鑑を作成し、テーマごとの投票も実現。キャラクター作成時に環境について考える時間も有意義に。来年3月までの活動について、これからもこのグループで検討していく。

Dグループ:コロナ禍の中で、人と人の接触を制限しながら、学校祭の楽しみを減らさない様々な工夫の提示。

Eグループ:球技大会における体育館内の密を防ぐ方法、人数制限などの工夫に関する発表。

各発表は、長く続くコロナ禍の中、生徒会活動への苦悩も垣間見えるものでした。

有意義な1時間半の交流会は盛況のうちに閉会式。

閉会式では、久保指導主事から「リーダー交流会の目的は二つ。一つはほぼ初めて会った他校の生徒とどう合意形成するか、その力を身に付けること、もう一つは協動的な活動を体験しながら、その良さを実感すること。今日の交流会を通して、感じたこと、学んだことなどの成果は、ぜひそれぞれの学校に持ち帰り、これからの生徒会活動に生かしてほしい。」との助言が示されました。

 池田校長からは「生徒の皆さんが集まって、主体的に対話することで、それぞれの思考も深まり、より有意義で、より深い学びにつながったと感じた。皆さんの積極的な参加態度に感動した。」という挨拶がありました。

 最後に来年度当番校である藻岩高校の堀 博雅(ほり ひろまさ)生徒会長から「“遠足は帰るまで”という。同じように「リーダー交流会は情報共有まで」だと思う。今回の学びを生徒会全体で共有したい。来年、自分は生徒会役員ではないが、後輩に引き継ぎ、交流会を成功させたい。」という力強い宣言が発せられ、交流会の全日程が終了しました。

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