「Sunrise Café」第2回を開催しました!ー旭丘高校SSHー

2023年9月13日(水)、C218教室で「Sunrise Café」(SSH放課後座談会)が開催され、生徒25名と保護者3名が集まりました。前半は講演会、後半は生徒からの質問と講師からの回答。

講演会                                                                     「建築士の仕事と未来」と題して、講師は、一級建築士の才善伊津美(さいぜん いづみ)さん。ateliarQという会社を運営している旭丘高校の卒業生。                                                                                  建築の仕事の内容を具体的な事例を交えて紹介、AIを取り入れた建築設計の現状と未来について、お話しされました。最後には、卒業生として、「これからの仕事選びについて」を考える上でのアドバイスをしていただきました。

    

概要>                                                                             設計は、意匠設計、構造設計、設備設計の3つに分類され、ご自身は意匠設計を担当し、アトリエ設計事務所を運営していることから講演会は始まり、具体的な設計の事例も見せてくれました。さらに、テーブルや外庭の設計の例も交え、実際の設計図も披露してくれました。

そして、仕事の流れについての説明では、オーナーからの依頼から始まり、竣工(完成)に至るまでの仕事の流れを具体的に教えてくれました。オーナーからの依頼の希望をヒアリングして「コンセプト」を作成した上で、基本設計、実施設計、そして見積。ここまでで半年間から1年間かかること。着工してからの工事管理をしたり、修正や変更を繰り返した上で竣工となり、ご自身が初めて手がけた建物の竣工式のときには涙が溢れましたと話されました。            

AIをすでに活躍しており、人間には描けない設計図が出てくる事例を写真で見せてくれました。(下の写真)                                                    AIはイメージを入力するだけで様々な設計図を書くことができ、手早い設計デザインを出すことは可能であるが、そのデザインを与えられた空間にどのように落とし込んでいくかを判断するのは設計者である。落とし込みの部分や担当者との意見交換などはAIでは無理なようです、とも話されました。設計者に必要なことは、「オーナーからの信頼を得るだけの人間性である」と強調され、AIを上手に使いながら、信頼を得られるように積極的に学んでいきことが大切だと思います。そして、建築というものに興味を持ってくれると嬉しいですとお話しされました。

          

終わりに、後輩の生徒たちに向けてアドバイスをしていただきました。                                             「好きなこと・やりたいこと」を仕事にすべき。負担の大きなことや面倒なことはAIやロボットが担当するという時代になるし、現在存在する職業は永遠ではない! だから自分がやりたいこと、好きなことを見つけることが大切。焦らなくても良いから、さまざまな情報をインプットしていってください、と。

⚫️生徒とのG&Aの時間                                                                  次から次へとさまざまな観点からの質問が出ました。

⚪︎いつ頃から建築に進もうとしたのですか?

⚪︎建築とかデザインのためのセンスを磨くために、勉強以外で必要なことは何ですか?

⚪︎社会に求められるデザインは?

⚪︎工学系の建築科と美術系の建築科の違いは何ですか?

⚪︎自分がやりたいデザインとオーナーの希望が異なるときはどうするのですか?

⚪︎一級建築士になるためには2年間の実務経験が必要がありますが、働いてみて、それは必要だと思いますか?

⚪︎デザインをする上で、自分の好きな設計を強く主張しますか?⚪︎設計をするためには大学院を出た方が良いですか?

⚪︎空間を設計する際、先に全体のイメージを作りますか?細かいところからイメージしていきますか?

⚪︎日本の建築と西洋の建築で好きなものはなんですか?

才善さんは、一つ一つに真剣に考えながら、ご自身の経験や体験に基づいてアドバイスをしてくれましたため、生徒は真剣に受け入れていたようです。勉強してとにかくインプットをたくさんすることが大切との話にみな大きく頷きました。予定時間を10分以上も超過し、終了の挨拶後も数人の生徒が才善さんに駆け寄り質問をしていました。

  

⚫️生徒や保護者の感想

1年生Aさん:建築に関わる仕事が数多くあることを初めて知った。また一つの建物の完成までに多くの時間がかかり、多くの過程があることも知ることができた。AIとの関わり方も教えてもらい、今後自分の人間性を大切にしていきたいし、勉強できる期間は限られているので頑張ろうと思う。                                         1年生Bさん;自分が想像していたよりたくさんの仕事内容があることに驚き、身の回りの建築物がこんなに計算して作られていることを知って、構造物を見る目が変わった。建築のお話だったけど、これからの人生に関わることも学べてよかった。新しい情報をたくさんインプットして自分の考えを増やすことを意識して生活していきたい。                                                                                                                                                                                                                                                                                            2年生Dさん:設計にも意匠設計、構造設計、設備設計などがあることがわかった。会社の種類もいろいろあることがわかったので、自分は何がしたいのか、どのシュア類の建築がしたいのか、よく考えようと思った。AIが作ったけ建物のイラストを見て、AIと人間が競うのではなくAIのアイディアを利用しながらAIと上手に付き合いながら生活していくべきだと思った。自分が興味を持ったのは何でも調べて自分のしたいことが何かをしっかり考えていきたい。                                                                                                                                                                                     2年生Eさん:才善さんが実際に設計したさまざまな建物を見ることができて貴重な体験ができた。自分が知らないことがまだまだたくさんあると感じた。特に、実施設計は、思っているよりも詳しく、さまざまな表し方をするのだと思った。AIは我々の仕事を奪う存在だと思っていたけど今はAIが描いたデザインを見て、そこから発展させて行く、という、AIと共に仕事をしている部分に驚きました。この講演で、才善さんが働くアトリえ設計事務所に興味があると強く再認識しました。デザイン性に注目し、新しい形を産み出していけたらなと思います。建築の歴史にも興味があるので情報をあつめて、「建築」を好きになり、たくさん関わっていこうと思います。                                                                                          

保護者Aさん:非常に興味深くお話を伺いました。具体的な仕事の内容や仕事への思い、生徒さんたちの率直なで多岐にわたる見解からの質問で、より建築士の職業を覗くことができました。進路探究について話題にするときに建築士について今日伺った話をしていきたいと思います。

保護者Bさん:生徒の目線で講義していただいてとてもわかりやすかった。設計について、イメージ描写はAIが得意とする心だが、その建築を使いやすい空間に落とし込むところに建築士の面白さがあるということには納得させられた。生徒からの質問について、自身の経験からのアドバイスの生の声が聞けて参考になった。実際に働いている方の講演会は、今後の進路希望の参考になる大変有意義な機会だと思う。

次回の「Sunrise Café」(SSH放課後座談会)は11月10日の予定です。

 

 

 

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