『札幌市立高校プレゼンテーション大会2023』~高校の魅力を私の物語にのせてプレゼン!~開催【午後の部編】

2024年3月10日(日)、札幌市教育委員会、市立高等学校・特別支援学校長会が主催する『札幌市立高校プレゼンテーション大会2023』が開催されました。

午後の部は個人発表です。主テーマは「自己の学びや経験等を基に、在籍する学校や学習活動について、生徒目線による学校の特色や魅力を発表する」です。

発表は一般向けの学校PRで見聞きするような内容に留まることなく、その学校に在籍し身をもって体験した生徒個人の特別な物語だからこその真実味と説得力のある話でした。

何より、高校生の「ことばの力」のしなやかさ、たおやかさに明るい未来を感じました。以下に、聞き手の心に刻まれたいくつかのキーワードをあげておきます。

・生徒に寄り添い応援し心を変えてくれる先生の存在は大きい(素敵な先生がいっぱい)。

・人は環境や人のとの出会いによって能動的になっていく(受動から能動へ)。

・目標設定と実現方法を考えることが未来へつながる(地域×私、私×未来、農業×こども)。

・課外活動への積極的な参加で行動することが大切(体験に勝るものはない)。

・出会いが刺激となり新たな価値観を生み出す(ヒト、コト、モノとの出会い)。

・自己分析して自分をちゃんと知ることが第一歩(自己を客観視し自分の良さを知る)。

・「アクション-気付き-振り返り」のサイクルをつくる(持続可能なしくみづくり)。

・互いに影響し合い切磋琢磨できる環境が大切(学校は「学び合いの場」)。

・資格取得やコンテストにチャレンジすること(視野が広がり新たな気付きが得られる)。

・「つながりがつながりを生む」(つながりが生む価値。つながりが人生を変える)。

・チャレンジして気付くこと(タイムスケジュールとマネジメントの重要性)。

・なりたい自分は環境がつくる(自発的になれる仕組みづくりが必要)。

・探究学習は教科横断型の学び(教科・組織・個人との繋がりが世界を広げてくれる)。

このプレゼンテーション大会の素晴らしさのひとつは、高校生ならではの感性と語彙を駆使して言語化していることです。高校に関心を持っている小中学生や市民の方々にもわかりやすい内容であり、高校生同士も「私もあの先輩のようになりたい」「僕にも取り組めそうだ」という、いわば再現性のある話として組み立てられていることです。

入学当初は自信がなくて必要以上に他人と比較して悩む生徒は案外多いものです。しかし、すべての発表が多くの人達に勇気を与えてくれる内容でした。どの生徒も置かれた環境の中で、人との出会いやコト体験から気付きを得て、気付きが動機や目標を育て、それが実際の行動につながったという物語性が聞き手を惹きつけていました。どの発表も、大学生顔負けの学究的手法による仮説と検証の手法を取り入れた構成となっており、質の高さを感じました。

発表者8人は、その体験も成果もさまざまでしたし、紡ぎ出される言葉もさまざまでしたが、取組内容の純度や熱量に優劣の差はありません。市立高校8校にはそれぞれの特色がありますが、このプレゼンテーション大会は、学校間の差別化を図るという競争原理が働いているわけではなく、どの学校も個別最適な「意味ある学びの場」を提供しているのだということが読み取れる内容でした。

各校の先生方の教育に対する真摯な姿勢がしっかりと生徒に伝わっているからこそ、こうした質の高いプレゼンテーション大会になっており、次年度以降も大いに期待されます。

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