旭丘高校でSSH始動!「SSH講演会」で生徒の目が輝きました!①

2023年5月22日(月)14:20〜15:40、体育館には1、2年生全員と保護者10数名、3年生は各教室で視聴する形で行われました。また、講演会終了後には「Sunrise Café」(SSH放課後座談会)も開催し、講師と生徒が自由にお話をする機会が設定されました。

<講演会>                                                          「ハリーポッターのような生活は未だに存在する!」海外生活体験記                                   「折り紙工学の最前線〜細胞で折り紙を折るとは? 再生医療への挑戦」                                        と題し、講師は北海道大学高等教育推進機構 客員准教授の繁富香織(しげとみかおり)さん。

杉渕宏志先生(SSH委員会主任)が司会を担当。                                          講演会に先立ち、小泉泰之教頭先生が、SSHについての説明と講師の紹介をしました。「サイエンスは理系文系を問わず学ぶべきものであり、在学中も卒業後も常にサイエンスに興味・関心を持ってもらいたい」とメッセージを送った上で、講師の繁富香織さんについて、「彼女は2013年ロボット分野で、世界で注目すべき25人の女性研究者の一人に選ばれたこと、2015年には電気・電子工学と医療バイオ分野で若手研究者ベストプレゼンテーション賞を世界で唯一受賞し、世界の第一線で研究されている方」と紹介しました。

<内容>前半は、繁富さんの海外留学体験を中心にした自己紹介。後半は、折り紙✖️細胞✖️マイクロ・ナノテクノロジーの専門分野のお話。                                                        楽しいことが好きな人間で、札幌開成高校時代は、理系クラス、成績は普通、書道部で活動していたことからお話が始まりました。卒業後、浪人し、室蘭工業大学機械工学部に入学、機械工学は意外に面白かった。英語は喋れなかったが留学のチャンスがあり、アメリカオレゴン工科大学で学び、そこでの医療の授業を受けたことをきっかけに、工学の知識を活かし医療に貢献したいと思った。修士課程では北海道大学で情報システム科に進学。今度はイギリスのオックスフォード大学で博士過程留学、学位を取得、会社を設立、東京大学生産技術研究所博士研究員を経て、現在は北海道大学の客員准教授をしているとのこと。                                  特にオレゴン工科大学とオックスフォード大学での留学で身につけたのがコミュニケーション力。                   講演会の演題にある「ハリー・ポッター」にも登場するクライスト・チャーチ大聖堂はオックスフォードにあり、そこでの3年間で博士号を取得した。学生には身の回りの世話をしてくれる人がついてくれ、食事はシェフが管理してくれること、毎日行われる先生たちと学生たちとの食事会、文系理系問わずに交流できる場であること、だからコミュニケーション力はとても大切であること、学生はその食事会に月に一度は招待される権利を持っていること、自分が在学していた時には元アメリカ大統領ビル・クリントンの娘さんもいたことなどのお話をしました。生徒は前のめりになって耳を傾けていました。人生は山あり、谷ありだけどチャンスを見つけ楽しく!と激励してくれました。                                                                             途中、旭丘高校がSSHの指定を受けることができたのは、先生方の素晴らしい努力のおかげですと、講師から先生方への拍手が送られ、生徒も一緒に拍手をする場面もありました。

  

後半はいよいよ彼女の専門研究分野「折り紙」に関するお話。                                            最初に次の二つのスライドが映し出されました。  

室蘭工業大学での、宇宙で展開できるソーラーパネルの開発を目指し、自然界でのモデルとしてラワン蕗の葉の展開と折りたたみ研究。米国オレゴン工科大学留学時考えた工学と医療を組み合わせ。北海道大学の修士課程での医療機器の開発研究。英国オックスフォード大学の博士課程での、折り紙の折りたたみパターンを利用した医療器具「折り紙ステントグラフト」の開発。東京大学での、マイクロ・ナノ加工技術を用いて細胞を折り紙のように折り立体的に培養できる「細胞折り紙」技術。そして現在勤務している北海道大学では、細胞折り紙技術を用いて再生医療の応用を目指して研究を進めていることを具体的な映像を用いて紹介しました。「今は、折り紙は医療への応用の時代、札幌発の製品を目指しています!」と。ナノバイオ、再生医療、機械工学、Bio-HEMS、折紙工学の幅広い研究分野で更にこれからの計画などをお話しされ、それぞれのスライドに生徒の目は釘付けになりました。

最後に2年7組の野口陽翔(のぐち はると)さんが謝辞を述べて終了しました。

<感想>                                                            生徒Aさん:講師の海外生活での日々の努力と苦しみとその中の楽しさというのがとても印象に残った。自分は文系なので、サイエンスに関する講演を聞く時などは話半分だったけど、今回の講演でサイエンスはとても面白いということに気づくことができた。またこれまではチャンスの直前で諦めてしまうことが多かったけど、諦めない心を持ちたくなった。海外留学にも興味が湧いたので、自分で調べようと思う。

生徒Bさん:「人生は山あり、谷あり、楽しむこと」という言葉が印象に残った。2度も「谷」を経験しても、諦めずに、さらなる高みに挑戦していく姿に感動した。自分も「情報エレクトロニクス」に興味があるので、先生の研究内容に興味が深まった。学問どうしが繋がれることも知れて驚いた。次は、折り紙の構造や、どのような物質で作られているのか、さらに、どのように小さなものに切り込みを入れているのかなどについても知りたくなった。

生徒Cさん:折り紙がこんなに役立つものとは思わなかった。最初はあまり興味のある話とは思わなかったけど、聞いているうちにどんどん話にのめり込んでしまうほど面白かった。あっという間に時間がたってしまい、また聞きたいと思う。世界で25人なんて凄い!

保護者Aさん:非常に楽しく拝聴しました。繁富先生が発明された成果は偉大なものですが、子供たちが聞いても、自分にできるかも知れなないと思わせてもらえるような、身近な事象からの発見、そんなところから始まるんだよ…、その時々の自分の努力、楽しいと思うことの大切さなど、子供が夢を持てるような、未来の明るさや可能性を感じられる素敵な内容でした。

保護者Bさん:日々の小さな気づきが研究につながっていることがとても新鮮に思いました。固定概念にとらわれることなく発想することが新しい発見に繋がっていくことは頭・考えの柔軟なうちに取り組んでいった方が良いと思うので、高校生の時にこのような講演を聞くことができた生徒さんが羨ましいです。

繁富香織さん:講演の途中で、自分の息子や娘に説明しているような感覚になって、なんか、グッときちゃいました。

 

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