市立高等学校7校の1年生を対象にした「進路探究セミナー」が5月6日・7日の二日日程で、各校をオンラインで結び開催されました。長い歴史をもったセミナーで19回目を数えます。入学後まだ1か月の生徒たちは「わたしの夢 生き方の理想」という作文をしたためセミナーに臨みました。
◇ 第一部 講演 講師 : 中屋敷左官工業株式会社代表取締役 中屋敷 剛 様
東京の会社に勤務していた28歳の時、急逝した父の会社を引き継ぐことになった際の葛藤と決意に関するお話から始まり、「人生は選択の連続」であること、仕事とは「誰かの役に立つこと、価値を生み出すこと」というお話をされました。また、「誰にも社会に役立てる才能がある」こと、勉強は「自分の中に眠っている才能に目覚めさせる刺激である」こと、職業選択のファーストステップは「自分の得意分野を見つけること」を説かれました。そのためには、教科科目以外のことも含めて、すべてが大事な勉強であり社会へ出る前のトレーニングだとお話しされました。最後は「しあわせは、自分のこころが決める」という相田みつを氏の言葉を引用し、生徒たちを励ましてくださいました。
◇ 第二部 「パネルディスカッション」 (進行:FM北海道の森本優さん)
◆最初に各校のパネリスト7人から、さまざまな夢、そして高校生活の目標が語られました。
旭丘Tさん:鳥類学者になりたい。フィールドを絞って生態を調べていきたい。
藻岩Uさん:世界一大きな望遠鏡で宇宙を見る。星や月がどれほど大きくきれいに見えることか。
大通Nさん:チアダンスで世界中を笑顔にしたい。今コンサドールズで活動している。高校では国際交流・外国語・外国の文化を学びたい。
新川Nさん:バレーボール部の顧問をしながら中学校の特別支援学級の担任になりたい。
清田Kさん:国際協力師としてその国に未来につながる支援をしたい。そのために、高校では語学、民族に関する知識、文化を学びたい。
平岸Yさん:看護師になりたい。そのため部活動を3年間続け、海外研修にも参加したい。
啓北商Iさん:事務職に就きたい。高校では計画性を身に付ける。細かいところに気を配れる人になる。
これらの発表に対して、講師の中屋敷さんからは「皆さんすごすぎる。深いところまで考えている。夢と具体的計画を述べてくれた。人類の進化に呆気にとられた感じです!」との驚きの感想がありました。
◆この後、中屋敷さんと参加生徒たち、参加生徒同士で「夢」「学校生活」そして講演をめぐって活発なやりとりが展開されました。
〔中屋敷さんの講演に対して出された感想から〕
旭丘Oさん:誰にも必ず社会で役に立つ才能があるという言葉に。大変共感した。自分には何があるのか、高校3年間、友達とのコミュニケーションを大切にしながら考えていきたい。
藻岩Dさん:父親の死から一日で会社を継ぐという決意をしたことに驚き。・・自分なら好きなことを続けたと思う。また『何かに熱中することが大事』ということばに安心した。
大通Tさん:講演を聞いて人生は選択の連続だと思った。
◆参加生徒と中屋敷さんとやり取りから
Q 大きな失敗はありましたか?
A 毎日ありますよ。成功1:失敗10ぐらいかな。
Q さまざまな失敗からみて高校生活で経験した方が良いことは何でしょうか?
A 何でも体験・行動すること。好奇心を持ってワクワクしてほしい。考えることとやってみることは違う。とにかくやってみること。考えること=1、やってみること=9ぐらいでいいかな。
Q 社長として人間関係で大切にしていることは何ですか?
A 一番は『社員はどう思っているんだろう?』という問い。『本当のことを話せる』『この人には話せる』という上司になること。
【最後に中屋敷さんから参加生徒へのメッセージ】
「行動が制限されている今の時代でも、必ず良くなる時が来る。あきらめずに、今、この時期を無駄にせず、もっと良い意味付けを考え、そしてそのあと、たくさん失敗してもいい、たくさん行動してみることです」
各校の生徒がそれぞれの体育館に集合し、オンラインにも関わらず、真剣に取り組んでいる姿がとても印象的でした。