一般市民に向けて「チ・カ・ホプロジェクト」ー開成中等教育学校ー

3月20日にポスターセッション形式で、一般市民に向けての1年間における様々な探究活動の成果について発表会が行われました。

昨年に引き続き、他の市立高校から、旭丘高校と平岸高校の希望生徒も参加しました

いつもよりも、大勢の市民がお越しになり、生徒の説明に耳を傾けてくれました。率直な質問に対して、生徒たちも真剣に答えていました。午前担当の生徒も面白くなり、午後も参加したりしていました。

特に、昨年の研究テーマを先輩から引き継いで更に深化させた「根粒菌」の研究グループのメンバーは、「先輩から引き継いだ研究ですが、アドバイザーの先生にも教えてもらいながら2つの実験をしてきました。トータル20回近く説明しています。」と、疲れも見せずに説明してくれました。また、今回初参加の平岸高校の生徒は、一人での研究成果を発表していました。「自分がどこまでやれるかを試したかったんです」と。

       

         

       

                          

                          

開成で、「コズモプロジェクト」のアドバイザーとして生徒を指導してくださった、お二人にこの1年間の感想をお聞きしました。

大原雅(おおはら まさし)先生(北海道大学名誉教授)                                                今年度、開成中等教育学校のサイエンスカフェのアドバイザーを担当させていただきました。生徒たちが自分たちで課題を見つけ、それをグループで解決していくサイエンスカフェ。大学教員を長く務めてきましたが、高校生時代にこのようなカリキュラムを経験していることは、その後の進路にも大切なことだと思いました。私の能力を超えるテーマが多く、アドバイザーとして十分な役割を果たせたかどうかは、自信はありませんが、生徒たちの自主性に任せながら、付かず離れずのスタンスでやらせて(勉強させて)いただきました。また、生徒たちが課題解決に向けて、臆することなく、大学の先生や企業などと連絡を取り、アドバイスを頂き、時には直接大学の研究室に伺って実験をさせて頂いたりする積極性は、とても素晴らしいと思いました。一方で、昨今は、自分たちの研究テーマに関連する先行研究や実験手法などを、手軽にタブレット端末で調べられます。しかし、キーワードなどで得られた情報は(うまく表現できませんが)、直線的に並んだもので、その情報を横並びとして、または相互に結びつけながら見ることが難しい(見られていない)のでは、と思いました。それを感じたのは、研究が後半になり、ポスター発表の準備に入り始めた時でした。研究を遂行していく中で生じる1つ1つの問題には対応できていたのですが、そもそもこの研究では何を課題としていたのか、どのようなゴールを目指していたのか、の軌道修正が必要な研究が多かったと感じました。もちろん、「研究成果報告会」や「チカホプロジェクト」での生徒たちの発表はきちんと整理されて、充実した内容になっていましたので、定期的に研究全体を俯瞰する習慣を付けたり、そのようなタイミングを作ってあげられればより良いと思いました。来年度も生徒たちが、どのようなテーマを設定するのか、そしてその課題解決に向かう積極的な姿を楽しみにしています。

松浦俊彦(まつうら としひこ)先生(北海道教育大学函館校教授)                                             毎回オンラインで探究活動の進捗を拝聴し、生徒さんたちとディスカッションさせていただきました。まず、探究するテーマが面白く、開成生の斬新な視点と豊かな発想力に驚きました。また、探究活動の進捗速度が速く、生徒さんの卓越した行動力に感心しました。私が印象に強く残っていることとしては、自分でオンラインゲームをつくれたり、3Dプリンターでモノづくりができたりなど、生徒さんの特技が探究活動にも生かされていることです。コズモサイエンスでの経験は、今後の大学・大学院での研究活動にも大いに役立つものと期待されます。

 

 

 

 

 

 

 

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