今年度4回目と5回目のプログラムは毎年恒例のコープさっぽろ販売体験です。
このプログラムは、コープさっぽろ店舗で地場の野菜を販売している「ご近所野菜」コーナーの担当に高校生がなり、実際に販売を体験するものです。
今年度は8月31日(土)にルーシー店で、9月7日にソシア店で行われました。
これまでバスツアー等で生産現場を見て来た高校生。販売体験では、最終的なゴールである「野菜が食卓に届くまで」を体験することができ、「食の新たな伝え手を育成する」を目的としているアニマドーレにとって大切にしているプログラムです。
今回はそんな販売体験の1日をお伝えします。
準備
まずは、実際に店舗で使われているあずき色のエプロンを身につけます。最初は全員緊張気味でした。
準備が完了したら、店舗の朝礼に参加をします。朝礼では、高校生が挨拶をする時間をいただけたので、高校生たちで話し合って、挨拶を考えます。
朝礼が終わった後は、コープさっぽろの「サポート運営部 おもてなしグループ」の射場さんから接客に関してのレッスンをしていただきました。
「おはようございます」や「いらっしゃいませ」などの基本的な挨拶から、バックヤードから店舗の出入りをする際のルールなどを学びます。
特に重点を置いてお話があったのが組合員さん(コープさっぽろではお客様のことを組合員と呼びます)に対する挨拶の仕方です。コープさっぽろでは、挨拶をシチュエーションによって使い分けているそうです。「いらっしゃいませ」は店舗を活気づける意味合いを込めて、不特定多数の組合員さんに向けて使用します。「こんにちは」は、一対一で目を合わせて組合員さんに挨拶をする際に用いています。組合員さんに親近感を持ってもらうためだそうです。射場さんからは、「組合員さんが返事したくなるような挨拶を心がけて」というアドバイスをいただきました。
販売体験①
いざ販売体験がスタート!
最初の販売体験では、売り手側と買い手側の二手に別れて販売体験を行います。
売り手側の方では組合員さんにうまく話しかけることができず、野菜を陳列しながら話すタイミングを伺うなど、悪戦苦闘する姿がありました。
買い手側の方では、10月の「農業・農村ふれあいフェスタ」での野菜販売に向けて店内のPOPや陳列の方法などを写真に撮り、学びました。
ご近所野菜農家さんの話
1回目の販売体験の後は、実際にこの日に扱っているご近所野菜の農家さんにお越しいただき、お話を伺いました。1日目は1回目のバスツアーでも訪れた当別町のFarm Agricolaの水野さんに、2日目は江別の伊藤農園の伊藤さんにお越しいただきました。
Farm Agricola
「安いのには理由がある。高いのには物語がある。それに従って、卵の違いを伝えていく。」こだわりの卵を世の中に送り出している水野さん。高校生たちは実際に水野さんの養鶏場を見ているからこそ、より伝わるものがあります。胆振東部地震の際には、卵を必要な人に届けるためにスタッフで手分けしてコープの店舗を回った、などといったお話も伺うことができました。
伊藤農園
伊藤さんからは、野菜を作る際に心がけていることを伺うことができました。
「食べるのが好きだから自分の野菜が美味しくないのはありえない!」をモットーに、野菜にアルコールをかけて栽培するなど、研究を重ねて美味しい野菜を栽培しているそうです。伊藤さんは、そんなこだわりの野菜の販売をただ店舗に任せるのではなく、自ら店舗に出向き、組合員さんとのコミュニケーションも大事にしているそうです。
販売体験②
農家さんの話を聞いたところで、もう一度販売体験へ!高校生はより気持ちを強くして販売に臨みます。
1回目の反省を踏まえて、自ら組合員さんに声をかけていく姿が見られました。最初に習った「こんにちは」などの挨拶の使い分けもできるようになり、組合員さんとのコミュニケーションのきっかけを作れるようになりました。また、農家さんから聞いた情報を積極的に組合員さんに伝えていく様子もありました。
<高校生Aさんの感想>
今回の販売体験を通して、販売する側としての立ちふるまいや心がまえ、魅力を知ることができました。あいさつや会話を明るくすることで組合員の方も返してくれることがありました。最初は難しいなと苦戦した部分もありましたが、楽しかったです。苦戦したのは話しかけるきっかけやタイミングだったので、最初の一歩が難しかったのですが、ご近所やさいの良さや生産者のお話を聞いて販売できる体験を無駄にしたくないと思い、関係者っぽい動き(野菜の配置を変えるなど)をしながら2回目ではお話しに行くことができました。
この経験をぜひまた、販売する側になる場面で活かしたいです。
<高校生Bさんの感想>
今回販売体験をしてみて、商品を買ってくださったときがすごく嬉しかったです。卵を買っていただいて、その卵の生産者さんから学習していたので、より嬉しさが増しました。そのため、私が買い物をするときは生産者さんや品種にも注目してみたいです。また。組合員さまとお話をさせていただく機会があり、オススメの野菜を教えてくださったりオススメの調理方法を教えてくださったりしたため、コミュニケーションはすごく重要だと改めて実感しました店員さんがお客さんに話しかけるのはとても勇気がいることだと今回知りました。また、たくさんの店員さんと組合員さんのコミュニケーションが生まれることで、お店も明るくなり楽しい買い物になると気づきました。
このような経験を得られた高校生たち。
10月の「農業・農村ふれあいフェスタ」では、これまでの学びをアウトプットする場として、みんなが楽しみにしています。