アニマドーレ2023第2回【農家訪問バスツアー】

今年2回目となるプログラムは、毎年恒例のバスツアー。

1ヶ所目は、南幌町にある城地農産(農猿)さん。

お相手をしてくださったのは、農猿の事務局を担当している、城地真吾(じょうちしんご)さんと橋本壮吉(はしもとそうきち)さんです。                          

到着してすぐに「とうもろこし」の収穫体験をしました。                                          城地農産さんでは、一番果しか収穫しない、                                          収穫作業は、最適の状態で収穫をしたいからと、                                                                   城地さん、お父さん、お母さんの3人が担当し、                                        パートさんにはお任せしていないというこだわりの「とうもろこし」。

「まずは1本、生で食べてみてください」と城地さん。                                                         ほとんどの高校生が、生で食べるのは初体験です。                                                            「今まで食べたことがある中で一番美味しい!」                                     と高校生から感嘆の声があがっていました。

その後、ハウスの中に移動して、「農猿(のうえん)」の活動紹介を。                          「農猿」とは、子どもたちが、「農業ってかっこいい!」と憧れてくれるような故郷を作りたいと、                          2016年に農家さんや役場職員などが中心になり立ち上げたチームです。

毎年夏には、「野祭(やさい)」という町内イベントを開催したり、                              コロナ禍には、外に出られない保育園の子どもたちのために、                               とうもろこし畑やキャベツ畑をそのまま軽トラックの荷台に移植して、                            訪問農作業体験を開催したり。

「まずは自分たちが楽しむこと」を大切にしながら、                                       さまざまな取組やチャレンジを行っています。

<高校生の感想>                                                

⚫️Aさん                                                        農猿の皆さんが言っていた「とりあえずやってみる」「やらないから大変に見えるけど、やってみると大丈夫」っていうのが凄く大切だと思った。お祭りや農業体験などでもっと農業について知ってほしいとか、地域を盛り上げたいというような気持ちを感じた。

⚫️Bさん                                                       2人とも若くてイケメンで本当に農家なのか疑った(笑)。とうもろこしが甘くてめちゃ美味しかった!農業だけじゃなくてお祭りをやって町おこしに貢献しているのがすごいと思った!配布された資料を見ても全部楽しそうにしていて、私もこんな風に楽しく仕事が出来たらいいなと思った!

⚫️Cさん                                                                       とうきびは全部少人数での手もぎだったり、とりあえずやってみる精神だったりとこだわりがあって、かっこいい。 とうきびを食べさせてもらったが、今まで食べた中で1番甘くて美味しかった。 大変なこともあるが、まずは自分たちが楽しむというのは見習いたい精神だと思った。

2カ所目は、岩見沢市にある「濱本農場」さん。

濱本壮男(はまもとたけお)さんは、                                                                       苗を育てて田植えをするという通常のお米づくりではなく、                                 乾いた畑に直接種を播く「直播」という方法で、お米作りを行っています。

農業にとって、現在の大きな課題は働き手が不足していること。                              「直播」という方法は、春先の一番人手が必要な田植え時期でも、                             それほど人手をかけずにお米の栽培をすることが可能です。

さらに、同じ理由から、GPSにより無人で自動運転をしてくれる、                             「ロボットトラクター」を導入しています。                                        自動だからといって全く人が不要なわけではなく、機械を管理する人は必要です。                          それでも、その管理はパートさんにもお願いできる仕事であり、                                     濱本さんと同じ技術を持った人が複数人居なくても仕事が進む状態を作れるのは、                       とても大きな効率化になるそうです。

濱本さんが、なぜ新しい農業にチャレンジをしているのか?                                 その答えのひとつが下記です。                                            「次の世代に、少しでも良いカタチで農業というバトンを渡したいのです。                            だから、いろいろな組織に入って課題を解決しようとしていると、                                いつの間にかいろいろな役職も増えてしまいました」と笑います。

また、濱本農場さんでは、                                               空知農業改良普及センターで専門普及指導員をしている、図師拓也(ずしたくや)さんからもお話を伺いました。                  普及指導員とは、農業の技術指導をしたり、経営相談にのったりしながら、農家さんをサポートするお仕事です。            何故いまの仕事を選んだのか?というお話とともに伝えてくれた、                                「仕事は仕方なくやるのではなくて、自分の好きなこと、やりたいことを仕事にするといい」                 という言葉は、高校生にも響いていました。

<高校生の感想>                                                     ⚫️Dさん                                                         今後は無人化がより普及されていくと思いますが、濱本さんが仰っていたように「機械を使うにも人がいる」という言葉の通り、人手(特に機械を操作できる人)をまだ必要としている社会だということを改めて感じた。

⚫️Eさん                                                           農業の人手がなくなる未来を見据えて行動を起こしていて感心した。農場で働く人への関心と共に、現代の技術の進歩を感じた。2人に話を聞かせていただいたが、2人共やりたいからやってるという感じがして理想的な仕事のしかたをしていると思った。

⚫️Fさん                                                          農業の様々な存在に向き合って楽しみながら働いている濱本さんと図師さんに非常に尊敬の念が湧いた。今の所、大学で食に関する勉強をしたいと思っていたが、その気持ちがより強くなった。

3カ所目、この日の最後は、「アンビシャスファーム」さん

最初に選果場を見学した後、柏村章夫(かしわむらあきお)さんが、とても思いのこもったお話をしてくださいました。 

                                                       

年間を通して100種類以上の野菜を育てているアンビシャスファームでは、                                   生産者と消費者が直接交流できる「ふたりのマルシェ」を毎週末に開催していたり、                                酪農学園大学とパン屋さんとコラボをして商品開発をしたり、                                                                      ホップを育てて江別限定のビールを開発したり、さまざまな取組を行っています。

柏村さんが大切にしていることのひとつは、「人」と「人との縁」です。                      

その言葉通り、一人ひとりが「自分のやりたい」を持って、農園に集まってくるそうです。                     スタッフ同士とても仲が良く、楽しんで働いているのが伝わってきます。                           働き方改革も大事な時代。勤務時間が長くなりすぎないよう、                              「早めに仕事を切り上げてしっかりと休んでね」と伝えても、                                みんな楽しんで働いているので、なかなか休んでくれないという悩みもあるのだとか。

そして、もうひとつ。                                                この日、柏村さんが伝えたかったことは、「今を生きる」ということです。                       「野菜は、実がなるまでに、数十日、100日以上かかるものもあります。                          その間の天候がどうなるかは誰にもわからないし、何が起きるかもわかりません。                       でも、今この瞬間を大切に生きることが、確かな未来に繋がっている」                             と柏村さんは言います。                                                 それは、野菜づくりだけではなく、人生も全く同じ。                                   「熱すぎて、高校生は大丈夫だったかな?」と笑う柏村さんですが、                              柏村さんの思いはしっかりと伝わっていたようです。

「人」にも、「野菜」にも、「地域」にも、                                      たっぷりの愛が溢れているアンビシャスファーム。                                       柏村さんが目指している、「持続可能な農業のためのファンづくり」に、                            着実に繋がっているように感じました。

<高校生の感想>                                                 ⚫️Gさん                                                     やらずに後悔するよりやって後悔したほうがよいという話を聞いて、自分はやらずに後悔することが多かったので、これからも様々なことに取り組んで行きたいと思った。

⚫️Hさん                                                       大切にしていることが明確にあり、人との縁を何よりも大切にしているということがとても印象的だった。 柏村さんの熱い想いをきいて野菜だけでなくアンビシャスファーム自体を大好きになる人は多いんじゃないかなと思った。

⚫️Iさん                                                             柏村さんの考え方というか生き方というか、今を生きるというスタンスがカッコいいと思った。また作っている野菜はもちろん、一緒に働いている人やお客さん、その時会った人や自分自身、全てにおいて愛のある人だと感じた。愛と熱意を持った、素敵な大人に成りたい。

やっぱり、農業の現場で農家さんの生の声を聴くのはとても良い体験になりますね。  

次回は、9月2日(土)酪農学園大学  一日大学体験です。

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