8月24日(水)、清田高校グローバルコース3年生40人は、グローバルコースで学んだ様々な経験やひとり一人積み上げてきた研究をオールイングリッシュで発表しました。
研究の内容は「SDGsと関連したある地域の社会課題を取り上げ、他国や他地域の現状と比較した上で、1次情報(アンケート、専門家インタビュー、現地調査・・・)を集め、自分ができる解決策を英語で提案する」というものです。
生徒たちは、2030年までの達成を目指す国連の17の「持続可能な開発目標(SDGs)」から、それぞれの問題意識に基づく目標を設定し、研究してきました。コロナによる制限の多い中、研究における困難を克服してきた生徒たち。
この日はその集大成。第1部はスライド発表。保護者らも見学する中、3年次生は4階の全12教室に分かれ、それぞれが13分のスライド発表を行いました。
発表のタイトル・内容は多岐にわたります。日本語タイトルにしますと『10代のスマホ依存症』『北海道の人口減少を救え!』『孤独を救え!無縁社会』『プラスチック社会の被害者たち』『日本の18歳成人』『食べよう昆虫』『若年妊婦を救え!』『日本の教育における部活動の負担』『清田区地下鉄延伸の未来』『質の高い教育をカンボジアの子どもたちに』『うつ病を減らせ!~音楽療法の可能性~』・・・生徒たちの問題意識の広さ・深さが伝わります。そしてそれぞれの内容が、SDGsの17項目と結びつけられているのです。
第2部は体育館へ移動。代表生徒2名のステージ発表です。会場には1年生全員とグローバルコース2年生、そして20名のALT、多くの保護者が集います。
第1発表者は佐々木優那(Sasaki Yuna)さん。タイトルは『Difficulty of English education in Japan』(『日本人は英語を話せない?!』) SDGsの目標では「4 質の高い教育をみんなに」「8 働きがいも経済成長も」「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」を意識した発表です。
佐々木さんは世界が“グローバル化”を遂げている中で、重要なツールである英語が多くの場面で必要とされると主張。英語力世界1位とされるオランダと、日本より英語教育を始める年齢が早く、優れた英語力を持つ韓国と比較しながら、幼稚園の段階から英語を楽しむことや、早いうちから英語を使う習慣を持つことの大切さをパワーポイントを駆使しながら堂々と発表しました。
第2発表者は小島にこ(Kojima Niko)さん。タイトルは『Reduce food loss!Eat just amount for good health』(『フードロス削減!腹八分目で健康に』)SDGsの目標では(「3 すべての人に健康と福祉を」「12 つくる責任つかう責任」「13 気候変動に具体的な対策を」)を意識しています。
小島さんは、今世界では1年間に13億トンの食べ物が廃棄、焼却され、green-house gasなど環境や人々に想像以上の悪影響を与えていることに警鐘を鳴らします。そして、札幌と人口の近い京都と比較し、札幌のフードロスの量が多いこと、京都ではフードロス削減の活動が活発であることを例示します。また学校でのフードロスも多い。そうした中で小島さんはまずできることとして、「自分の適量を知り、食べきれる量を注文してロスを減らそう」と主張。健康とも関連させながら身近な問題を大変分かりやすく発表しました。
発表者へは、それぞれの発表後、ALTや生徒たちからたくさんの英語での質問があり、二人の堂々と答える姿が印象的でした。ALTヒラリー先生、そして横関直幸校長先生から、3年グローバルコースの生徒たちの研究と発表を讃える講評があり、卒業研究発表会は盛況のうちに終了しました。