市立札幌藻岩高校はこれまでの3年間、保健体育の『体育理論』の授業の中で、JADA(※下記参照))が推進する『スポーツの価値を基盤とした学校教育』に取り組んできました。3年目となる今年度、体育✖️芸術のコラボ授業で大きな成果が生まれました。
<一昨年度、昨年度の取組>
保健体育の科目中の『体育理論』6時間のうち3時間を使い、一昨年度は2年生の授業で『札幌オリンピックの理想像』を描き、昨年度は地域の方々との交流を考え、学校設定科目「スポーツライフ」で3年生がスポーツを通した地域との交流イベントを実施しました。
<今年度の取組>
『2020東京オリンピック・パラリンピックを応援で盛り上げる』をテーマに展開、過去のオリパラを視聴して様々な応援の形を学んだり、自分の経験や振り返りを通して『応援の力とは』を考えました。
これらの授業の中で、事前アンケートではオリンピックには関心がないと回答した15%の生徒も、授業を通じて東京オリパラに興味を持ち、事後には「全く興味がない」と回答する生徒はいなくなりました。
2020+1東京オリンピックが札幌にもやってくる!ことに対する、コロナ禍でできる応援、自分たちでできるムーブメントを全員で考えました。
そして、芸術の授業の中でそれぞれの思いを『形』にすることが出来たのです。
美術選択者は世界に通じる応援ピクトグラムを作成。書道選択者は応援メッセージを書で表現し、音楽選択者は『応援歌』を創りました。 3年生が『スポーツライフ』の授業の中で創った応援歌 “ HIKARI “ を1年生が聴き、サビの部分を各クラスで作り替え、新たに8バージョンが出来上がりました。(動画は1年3・4組バージョン)
<担当した先生のことば>
『授業するのがとても楽しかったです。生徒が次第に熱くなって盛り上がっていくのが感じられて、感動したんですよ。』と語ってくれたのは体育科教諭、千葉建二先生と佐々木理恵先生。
『芸術科の先生方に授業案をお見せした時に、面白いね!と言ってくださったのも感動でした。他の学校でもこういうテーマや取り組みが広まっていくと良いと思っています』とも仰っていました。
<生徒の感想>
・自分たちが歌を作ったり、文字を書いたり、ピクトグラムをデザインしたことによって、私たちも選手と共に戦うことができると思った。(Iさん)
・自分自身あまりオリンピックに関心はなかったのですが、授業を通して自分も観戦をしたり関わってみたいと興味がわきました。(Kさん)
・マイナーなスポーツが注目されてほしい。(Oさん)
・今までオリンピックなどは選手方などがやるもので自分たちには直接的な関わりは全然ないと思っていたが、自分たちにしか出来ない応援や違う形でのオリンピックへの参加などがあることを知ってとても良かったです。自分に出来ることを2020+1でも何かしら出来たらいいなと思っています。(Yさん)
・コロナ禍で大変な中でもオリンピックに向けて日々練習をしている選手がいるので、オリンピックに興味を持つことで、少しでも選手やその他の人達の支えになれたらいいなと思いました。(Sさん)
・自分ももっと近くでオリンピックパラリンピックを感じたい!と思うようになり、ボランティア活動などにも参加してみたいと思うようになりました。(Nさん)
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◉JADAとは(HPより抜粋)
Japan Anti-Doping Agency;公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構のこと
→「スポーツが公正に行われるための基盤を整備し、スポーツのさらなる発展と普及を支え、感動と誇りと活力にあふれたより良い社会の実現を目指す」という企業理念のもと、事業と活動を展開しています。(『事業と理念』より)
→ 現在の高等学校指導要領の保健体育「体育理論」において、「オリンピックムーブメントとドーピング」が追加されました。現在、当該授業で取り上げるだけでなく、保健体育の実技や、保健体育以外の教科(美術や英語など)、特別活動や課外活動など、学校教育の様々な機会、イベントにおいてスポーツの価値を基盤とした教育が各地で実践されています。(『スポーツの価値を基盤』とした教育 ~スクールプロジェクト~ より)
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