2024年3月10日(日)、札幌市教育委員会、市立高等学校・特別支援学校長会が主催する『札幌市立高校プレゼンテーション大会2023』が開催されました。
今年は市立高校7校、開成中等教育学校、みなみの杜高等支援学校の計9校、15グループ、10名の個人がプレゼン。昨年を上回る発表数となり、会場の大通高校講堂は早朝から活気に包まれます。
午前の部は【学校で取り組んでいる探究学習活動の成果】の発表。
司会は初体験という大通高校の2人の生徒。
ゲスト講評者は3名。そして今回の講評は、この3名のほかに、8名の高校生がコメンテーターとして加わり、同じ高校生の目線、視点から感想を述べるという新たな趣向が取り入れられました。
実行委員長 藻岩高校の尾﨑茂樹校長から「君たちの思いを君たちの言葉で表現してほしい」と激励があり、スタート。
それぞれの学校の存在する地域性に根差した探究学習が印象的。いくつかピックアップします。
藻岩高校グループは 『ボードゲームで知ってもらう公共交通機関の大切さ』
通学バス路線や本数が減少しているという切実な問題提起から、公共機関はひとりを運ぶために出す二酸化炭素量が少なく、エコであるという探究。それを伝えるための「SDGsボードゲーム」の普及を主張。講評者からは「経済性と利便性を考えたプレゼン」「札幌市の緑の管理課に行けばロードマップも描けそう」
近郊に小学校・中学校がある新川高校グループは『学びのデザイン~授業をする側に立って~』
新川高校は近隣に小学校、中学校のある地域。その特色を生かし、新川生が小・中学校に出向いて英語と数学の授業を行うというもの。どうしたら簡単で分かりやすく楽しい授業ができるか、小4の英語では「ビンゴゲーム」を使った工夫。苦労話もリアル。
啓北商業グループは 『頑張る高校生応援マルシェ』
南区の自然や果樹に着目。札幌パルコ店の担当者との出会いなど半年間の準備を経て梨たっぷりシュークリームを完成。商品をすべて完売!発表生徒の最後のコメントが印象的。「利益は少なかったけれど学んだことは深い。ビジネスって大変。 出会いやつながりの大切さや新しい価値の創造の素晴らしさ。」
このほか、日本の相対的貧困率の高さから持続可能な「子ども食堂」を探究した開成中等グループ。
「10人に1人がいじめられている」と答える札幌の現状にスポットを当て、フィンランドの「いじめ防止プログラム」を取りあげ、「脱傍観者」を主張した清田高校グループなど、大きなテーマに当事者意識をもって果敢に取り組んだ探究がたくさんありました。
個人発表ではみなみの杜高等支援学校のkさんの『挑戦~技能士への挑戦から得た学び、今後の意気込み~』
清掃の制限時間に間に合わせるための練習、挫折、練習、挫折を繰り返す中、ついに達成。「努力は裏切らない!」この言葉が会場を包みました。
第一部最後に講評者のNoMaps実行委員会事務局長の廣瀬岳史氏から総評がありました。
「生きていくうえで考える行動を起こすことは卒業後もずっとあり続けること、自分のためだけではなく、代々引き継がれていくもの。きょうが終わりではなく、新たな一歩と考え探究を続けてほしい。」