今年度の市立高校プレゼンテーション大会(AWARD)2021は、以下の3つの目的を達成するために開催されました。
① 市立高校等の魅力を、中学生及びその保護者をはじめとした市民に向けて広く発信する
② 市立高校等の魅力を生徒間で共有する機会とする
③ 参加する生徒が、自らの過去-現在-将来について主体的に探究する契機とする
今回は、オンライン実施となり、市立高校から7名の生徒と4名の方が審査員として参加しました。
大会の様子 ※大会の様子はこちらのポータルサイトで3月1日から動画配信されます。ぜひご覧ください!
オープニングでは、宮田 佳幸 先生(大会担当 開成中等教育学校長)からのご挨拶があり、その後、市立札幌大通高等学校 和太鼓・伝統芸能部のパフォーマンス「北の大地」が披露されました。
審査員の紹介の後は、参加生徒がそれぞれ8分の持ち時間の中で、自分自身と学校の魅力について発表しました。各発表の後には、審査員からコメントが寄せられました。
審査員
相沢 克明さん(札幌市教育委員会 学校教育部長)
篠原 岳司さん(北海道大学大学院教育研究院 准教授)
森本 優さん(A I R―G’ エフエム北海道 パーソナリティ・アナウンサー)
梶原 雄揮さん(札幌市経済観光局 産業振興部 I T-イノベーション課スタートアップ推進担当係)
自分たちが、それぞれの高校での学びを通じて成長できたこと、入学当初の夢が高校生活を送る中でどのように変化し、今後どのようにしていきたいのかを、力強く、わかりやすく語ってくれました。
現在通っている学校内外の先生や大人や仲間の魅力も伝わってきました。
準備したスライドや資料が簡潔でとてもわかりやすいこと、キラキラした表情で話す姿、伝えようとする姿勢が素晴らしく、大人が見本にしたくなるようなプレゼンテーションでした。お見事!
7名に共通していたのは、「挑戦」と「個性の尊重」という言葉。
学校の外にも学びがあり、地域や人との関わりの中で自分が成長し続けている姿でした。彼らの今後がとても楽しみになったプレゼンテーションでした。
参加生徒の発表の内容
中学校の音楽教師を目指していた自分が、藻岩高校でのさまざまな活動を通して、夢が変わった。「トビタテ!留学JAPAN」に挑戦し、合格した。が、コロナの影響でまだ留学できていない。さまざまな挑戦をしたが、つまづきも経験してきた。しかし、自分の居場所である藻岩高校の生活やそこにいる先生、友達や仲間のおかげで、安心して、これからの進路を考えることができると感じている。最後に、自分の「やりたい!」を藻岩高校で実現しましょう!と呼びかけました。
学校内にある「キャリア探究掲示板」が自分の学びのきっかけになり、校外でのさまざまな活動に挑戦をしてきた。中国内モンゴル自治区の砂漠化防止活動に参加し、現地での活動を通して、入学時はロックスターになるのが夢だった自分が現在は、気候変動問題の解決に貢献したいという気持ちに変化した。経済活動と環境保全の両立が大切だと思っているので、アニマドーレプロジェクトという農業学習の体験を生かしながら、大学に進み経済学を学ぶ。自分らしく学べる大通高校で学びませんか?と呼びかけました。
デザインアートコースで成長したことは、常識外!普通ではない!と最初は思っても、とりあえず受け入れることができるようになったこと。新しい意見を受け入れ、相手の個性を認める大切さを学んだ。デザインアートコースのさまざまな取り組みを通じて、他の友達の個性がわかるようになった、だから否定せずに受け入れることが大切だと思えるようになった。今後はさらに視野を広げ、卒業後は学校時代に経験したデザイン事務所でインターンシップを通して、さまざまな人との関わりを持ちながらデザインの勉強をすることに決めた。「相手を考える」ことを大切に、新たな道を見つけていきましょう!と呼びかけました。
コロナ禍の状況の中での入学、当初は新川祭の中止にも無関心だったが、生徒会で活動で、2021年度には、新しい「新川祭」を創り出した。コロナ禍でも実施可能で、これまでの伝統も継続できる「クラスステージ」をクラスの動画制作そしてライブビューイングの形を生み出した。その名も「NEW TUBE 」!この試みのおかげで学校に活気を取り戻すことができた。来年度は3年生としてまた学校祭を作っていきたいという意気込みを披露しました。
発表内容を、1~4年生段階で学ぶ奉仕活動(SA: Service as Action)と5~6年生段階で学ぶ奉仕活動や部活動(CAS: Creativity・Action・Service)に絞り、自分の活動と経験したことを発表。その中で学んだ4つのこと、それは、物事を多角的に考えることができるようになったこと、学校の外にも学びがあること、失敗を恐れないで、挑戦をし続ける気持ちになったこと、生徒はそれぞれ異なる活動をしているのが嬉しいということ。「国境なき医師団の医師として世界中の人の命を救いたい」という入学当初の夢は、現在は、「世界中で困っている人を助けて笑顔にしたい」に変化している。最後に、自分自身と見つめ合える、生徒一人ひとりが輝ける開成中等が大好きだ!と述べました。
入学当初は自信がなかった自分がなんでも積極的にやろうと決意し、様々な「挑戦」をした。最初は、1年生でS P H(スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール)の活動への参加。インプットしたことをアウトプットする力が大切だと知った。積極性や協調性も身についた。2年生の「商品開発」の中で習ったSWOT分析。今回の発表の準備のために自己分析に活かしてみた。3年生では観光・M I C E入門という授業の中で、札幌の観光だけでなく、人々の暮らしや伝統・魅力や発信することの大切さを学んだ。実は失敗もたくさんあった。自分の力量が追いついていなかったが、生徒会・委員会活動を通じて人前での話ができるようになったり、マネジメント能力がついて行動力も上がったり、仲間を支えることもできるようになったと思う。卒業後は警察官となって人を支える活動をしたい。こんな自分になれたのは、「わたしが啓くわたしの未来」がスローガンである啓北商業高校の先生や生徒の支えがあったからと語りました。
学校紹介からスタートし、グローバルコースと普通コースの学びの説明。自身が経験した韓国北三高校との交流やダルニー奨学金への協力活動などを紹介。普通コースでも可能な国際理解教育に関する活動もある。また、単位制という仕組みの中で、選択できる科目が多いこと、クラスを超えた交流ができること、進路サポートも充実していて、先生との面談が多く、自分の進路などについて何度も相談できることが清田高の魅力である。自身の成長としては、もともと食に興味があったので、進路相談を通して栄養管理士を目指そうと決意することができたこと。食を通して人を幸せにしたいと考え、まずは毎日夕食を作りながら、新しいメニューに挑戦しながら、将来に向かっていると語りました。
審査結果
★ BEST SAPPORO CITY HIGH SCHOOL Student OF THE YEAR (最も自己分析ができており、それを元に、在籍校での活動を通じて学んだ内容を自らの経験や力に変えて、将来を切り拓こうとしている生徒)
高橋 希花さん(開成中等)
★ INCENTIVE AWARD(特に、今後活躍が期待される生徒)
松田 舞星さん(啓北) 大内 萌生さん(藻岩)
★ LEARNING Student AWARD (特に、探究的、深い学びをしている生徒)
阿部 すずかさん(平岸) 寺井 菜々美さん(清田)
★ ACTIVE Student AWARD ( 特に、活動的、積極的、活気のある生徒)
岡本 玄太郎さん(大通) 牧 真帆さん(新川)
審査員好評
梶原 雄揮さん(札幌市経済観光局 産業振興部 I T-イノベーション課スタートアップ推進担当係)
「こうした機会を通じて、これまでの高校生活を振り返り、自分って何を学んできたのかな?自分って何がしたいのだろう?今後何に興味を持っていくのだろう?と、自分を見つめ直す良い機会であったと思います。今後もより成長されることを期待しています」
森本 優さん(A I R―G’ エフエム北海道 パーソナリティ・アナウンサー)
「自分を褒めてあげてください!準備から本番まで、しっかりと達成したことがまず素晴らしかったです。私と一緒にラジオで何かしませんか!?こんな学校があるんだよ!こんな素敵な生徒さんがいるんだよ!ってラジオでも発信したいと思いました。それぐらい僕の心が動かされる1日でした」
篠原 岳司さん(北海道大学大学院教育研究院 准教授)
「みなさんに教わることばかりでした。研究の世界では、高校生から大人に向かう学びって、「自分崩し」「自分づくり」と表現することがあるのですが、みなさんの「言葉」や「話」の中から、研究の世界で言われていることの意味がより深まると感じました。うちの学生たちにもに聞かせたいと思いました。学校の大切さ、人とつながることの大切さの再確認にもなりました。みなさんのプレゼンに感謝します」
相沢 克明さん(札幌市教育委員会 学校教育部長)
「今日は本当に嬉しかったです!自分の学校が大好きであることを表現してくれました。その理由は、自分の成長につながっているということを、「自分の言葉」で語っていたところが素晴らしいです。お互いに刺激し合えたのではないかと思います。みなさんと素晴らしい時間、空間を創りあげることができた。この内容をさらに広く市民のみなさんに発信し、この素敵な時間、空間が札幌全体にひろがっていくことで、さらに夢が広がっていくと思っています。心から感謝しています」
生徒の感想 大会を終えて
岡本 玄太郎さん(大通)
「こうしてオンラインでも人と繋がれることを実感できた。1番取れなくて残念だけど、他の生徒の発表から、失敗から学ぶことを自分なりに飲み込んで、どうしたらいいか考えながら生活していることを知って、僕も頑張ろうと思えました」
大内 萌生さん(藻岩)
「みなさんのプレゼンを聞いて、プレゼンの仕方もいろいろあるのだという気づきがあった。伝え方で印象は180度変わるなと思いました。改善点も見えた。今回の経験を活かして頑張っていこうと思います」
高橋 希花さん(開成中等)
「みんなのプレゼンがすご過ぎて感動して泣きそうになっていました。札幌にはこんなに素敵な高校生がたくさんいるんだということが嬉しかった。もっと札幌、北海道、日本、世界中、私たちと同じ世代のいろんな人たちと交流して、今後もたくさんのことを吸収していきたいと思いました」
松田 舞星さん(啓北)
「他の市立高校のことを初めて知り、こんなすごいことやっているんだ!と驚いちゃいました。1年生の時に進路探究セミナーで将来の夢を語り合った仲間が、今この場で自分の成長を語っていることが、なんだかかっこいいな!と思いました。高校生活の日常一つ一つが思い出です」
牧 真帆さん(新川)
「本当はこの画面の向こう側の人たちと会うことができるはずだったんだと思うとコロナが憎いですが、でも、こうしていろいろな人の学校生活を知ることができて楽しかった。あと半年くらい生徒会の活動が残っていますが、いっぱい頑張りたいと思いました」
寺井 菜々美さん
「素晴らしいプレゼンばかりで楽しかった!私はこうした大きな大会に出るのが初めてでしたが、とても良い経験になったと思います。本当にありがとうございました」
阿部 すずかさん(平岸)
「プレゼンの用意をしていく中で、どんどん平岸高校について説明したいこととか出てきて、自信を持って発表することができた。こうして自分の高校以外の人たちと関わることが少なかったけれど、みんなのプレゼンを聞いて、自分の範囲だけで行動していてはいけないなと感じました。自分の改善点も、良い点も見つかったし、良いところも見つけられて、今日は本当に参加してよかったと思います」